文化ボランティア カズバインド
チンドンさんのおんがく雑談
街の広告塔として、
派手な衣裳と賑やかな音楽で、
パフォーマンスを繰り広げるちんどん屋さん。
どんなお仕事をしているのか、
ちんどん屋さんって何なのか、
そしてあの音色を聞かせてもらいに、
東西屋はちんどん通信社さんに、
カズが会いにいってきました。
目次 (全6回)
  1. 場をほぐす 2006.12.27
  2. 笑いの記憶 2007. 01.27
  3. 楽しい仕事 2007. 02.13
  4. 見えない誰かに 2007. 03.3
  5. 無駄だらけ 2007. 03.19
  6. 音と道具 2007. 03.20

ちんどん通信社さんのプロフィール ちんどん通信社さんのプロフィール
サービス業と芸能の融合を視野に入れ、この世界に新風を巻き起こし、持ち前の機動力と柔軟な対応力を備え、枠を越えたその活動は多種多様の八面六壁。
フレキシブルで確実な対応力は業界随一です。
富山・全日本ちんどんコンクール7回優勝、海外公演回数多数の実績をもつ史上最強のチンドン集団です。

3. 楽しい仕事

「山間僻地の聞いたこともないような村に 呼ばれていって、
そこで、 だいたい2時間半とか3時間の公演をやるんです。
これも、自分から売りこんだんやなくて、
だんだんそういうことやる人が、減ったんですね。
昔は、今のテレビでやってる漫才、昔の漫才っていったら、
砂川ステ麻呂さんとか大昔の漫才は、
歌ったり踊ったり喋ったり、 なぞかけをしたり、ちょっとした物まねやったりで、
だいたい一人で45分から1時間半やるんですって。」

 結構長い時間よるもんですね。
 10〜15分の漫才をするのも大変だと聞いたことがありますが・・・

「それは、あくまでも捨てネタもいっぱいある。
お客さん、ざわついてもOK。
最終的には、し〜んとなって最後の10分間は、感心して大拍手になる。
そういうジャンルが今、後継者がいなくなって、ヨシモトさんとかで、
出てるタレントさん呼んでも、そんな時間やる人いないしね。
昔は、漫才の人、2〜3組呼んだら、 2時間や3時間出来たわけなんです。
その間に、私らが行って演奏したり、 歌ったり、踊ったり、お芝居したりで、
なんで3時間かというと、だいたいお年寄りの人が、
家からず〜と順番にバスで連れてきて、
会館なり公民館に連れてきてですね、
ほんで村長さんのあいさつやら、教育委員会のあいさつやらがあって、
そんで、夕方までね、お弁当食べさせて、夕方お迎えがくる。。
だから、デイケアみたいなもんですね。
半日、お年寄りを外へ出すというためのお役に立つために。
だから3時間なりは絶対いるんですよ。」

 なるほど。チンドンさんの仕事は、見る芸というより、
 ほんとに場を楽しくする、ほぐす、誰かの役に立つという芸ですね。

「例えば、そんなフカフカなイスでもないところに座って、
お年寄りしんどいから、なるべく楽になるステージングを、
みんな注目してくださいも言わない、ステージから降りて、奥の方のお客さんも相手するし、
でもまあ、笑うだけでもしんどいし、
やっぱり、ホロリとするところも作って、
やっぱり、終わったあとね。
なんかじん、しんみりと、なんか残るような。
心に残るようつとめてですね。
これもまあ、普通の芸能だったり、タレントさんだったり、
歌手の方だったりすると、
目標は東京だったり、ニューヨークだったり、
あるいは世界中でCDが売れたりすることで、
山間僻地の村でやるということは、
地方まわりとかすごいさげすんだ言い方。
営業ですとか言って。
僕らそれこそが、私たちホームグランドで、
いちばんだから、楽なんですよ。」

 今、メディアが判断基準みたいになっていて、テレビにでていないと、
 あぁもう終わりだ、なんて言われて、記憶から消去されてしまう。

「事前調査までして、しっかりやって、
ああ〜楽しかった、おもしろかった。
私らも自然に親しんで、美味しいもの食べて、
楽しいし、だからいろんな穴場を見つけたというね。
人が一生懸命やらないところを一生懸命やると、
それがいちばんの楽な方法なんだね。
みんなが、しのぎを削って東京で売れてて、
テレビに出よう、ラジオに出ようってやってるそんなとこ入ったってね、
よっぽどのことやったって。
だあれも行かないとこで、みんな手を抜いた人しかこないから、勝負にならない。
『結局、チンドンさんいちばんよかったねって、 なっちゃいますよね。』
何であいつら一生懸命やるんだって、
やっかみがられて終わるんですけど、
こっちにしたら、いちばん楽しい仕事。」


今回は聞きこたえありますよ〜。
ちょっと長めです。どうぞ!

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