5. 無駄だらけ
「それをドンドン意識するようになって、
ごくごく一部の人が、その情報ありがたいなと思ってくれて、
だから普通セールスやったり、
広告という概念でいくと、
効率というのは、あまり無駄なことしちゃいけないですけど、
僕は、チンドン屋になって初めてチンドン屋ってほんとに無駄だらけだな。
無駄なところで、そのーあのー子供がいて、
街周っていつまでもついてくる子供相手にして、
無駄なんですけどこれが、学童保育になってるね。
家に帰っても誰もいない子供ために、歩く学童保育になってる。」
夕方の時間を大人と過ごす子供が少なくなってきていますね。
「ほいで、ポツリポツリと家庭の事情をしゃべってくるし。
人生相談になるんですね。
無駄なことをしても役に立つ、地域社会にいいことがあるな。
それと、嘘がつけない。
今日は、安いです安いです。
さっき行ったけど、ぜんぜん安くなかったと言われるんですから、
面と向かって、反論されるんですよ。
やっぱそうか、なんか僕も安くないような気がしてましたわ。
半額半額で、 いっぺんそのお店で食事したら、
その金額の半額の券をくれる、
次行かんと半額の意味がないやんか。
とかね文句言う。そうでしょう。
その日にね半額にしてやったら、
いいと思うんですけどねぇ。って、
クレームを聞いてあげて、あげてるとだんだんと、
その店もいっぺん行ってみようかと、いうことにもなるし、
お店にしてそういう苦情もきて、
くるのを伝えてあげることもできるし、
いうことで、効率時間もかかるし。」
人生相談からクレーム処理まで。
時間の効率が悪いとその分、時間の温度が高いような気がしますね。
「ところが、選挙でもね。投票してください、って一言いっても投票できないですよね。
人間と人間の間で信頼関係って時間がかかる。
信頼って時間がかかりますから、一対一で、
なんか伝えようと、人の話も聞いて、
こっちの話もしてお互いに、
ああそうだったこんなこともあった。
そういうことがあって初めて、
じゃあその店いっぺん行ってみようかとかね。
その商品買ってみようかなとか。
私は買わないけど、
買ってくれる人が私の知り合いにいるかもわからないから、
言ってあげるわとかね。」
人と関わることって、とても効率の悪いことが発生しているかもしれません。
「そういう効率の悪い世界のまた有効性、
今のようななんでも、メール、インターネットで、一発でボンとやって、
ボンと帰ってくる発想が、まかり通る。
そうじゃない世界もあるんだなというようなことで、
そのかわり昔は、サーカスあがり、芝居あがり、
漫才あがり、芸人あがりの人いっぱい、
バンドあがりの人来たから、
今は、なんとかあがりの人があんまりいないので、
昔はもう、昔取った杵柄の芸なり、
ぽんぽんと、
今は、白紙の状態の人が来ますから、
だから白紙の状態から一から出発で、
じゃあ、能習ったり、狂言ならったり、曲芸習ったり、
音楽の先生についたり、
その習ったことをチンドン屋の場で生かそうと、
応用編でね。」
車は便利だけど、便利の傘の下では、
駐車するところがなかったり、渋滞したり、効率の悪いことが、起こっている。
日ごろから使用するメールも、文字表現だから、どういう気持ちで書いたとか、
表情がわからないから誤解を招くケースもある。
便利だと思って使っていることって、効率の悪いことも一方では発生している。
誰かに聞かせようだとか無駄をなくそうだとか、スパッと一本道をつくるより、
くねくねのあぜ道のほうが楽しいと思いました。
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